2023/7/15,16 第28回認知神経科学会学術集会(学会)

皆様には日頃、多々のご支援をいただき、心から感謝申し上げます。

この度、第28回認知神経科学会学術集会を2023年7月15日(土)、7月16日(日)の2日間、札幌で開催することになりました。新型コロナ感染症の影響を受け、過去3回の学術集会は、誌上開催、web開催、ハイブリッド開催と変化して参りましたが、このたび2023年の第28回の学術集会は、札幌の地で、久しぶりに現地開催できればと願っております。

本学会は、1985年に組織された「永江メモリアルシンポジウム」が母体で、1996年に認知神経科学および関連領域の研究の発展と促進を目的に設立され、今回、28回目の開催となります。本学会は、「認知」機能およびその障害のメカニズムを「科学」的に解明し、臨床へ還元してゆくことを目的とした学会であり、精神医学、脳神経内科学、脳神経外科学、小児科学、リハビリテーション学などの臨床分野のみならず、基礎医学、心理学、教育学、情報工学などの新しい知見や技術を踏まえた学際的な学会です。今回はメインテーマを「21世紀の失語症学」としました。ホモ・ローケンス(Homo loquens:話すヒト)と言われるように、言語はヒトの持つ特異性の高い機能であり、そのメカニズムおよび障害について、19世紀から高い関心が持たれてきました。1980年代のCTやMRIなどの画像診断法の普及、また、認知神経心理学の発展や画像診断の方法論の進歩などが相まって、20世紀後半、言語機能に関する新しい知見が飛躍的に増えました。このような知見をもとに、21世紀には何が見えてくるのか。これまでに明らかになったこと、未解決のことを確認しながら、言語障害、失語症に関しての展望を議論したいと考えております。加えて、言語機能のみでなく、様々な認知機能のメカニズム、また認知機能低下をきたす認知症、高次脳機能障害およびそれらの原因(脳血管障害、変性疾患、代謝疾患、感染性疾患、てんかん、外傷)、発達障害の診療・研究の進歩も概観し、認知神経科学全体の展望も示せる会にできたらと考えております。また、次世代を担う臨床家・研究者の研鑽の契機になるような企画も考えております。

7月の札幌は好天の日が多く、一年の中で最も爽やかで快適な季節です。学会に参加しながら自然やアクティビティ、食など北海道の夏を満喫していただけます。多数の皆様のご参加を心からお待ちしています。

第28回認知神経科学会学術集会会長 大槻美佳

https://jscn28.menergia.jp/