リレーメッセージ3:ヴォーリズ記念病院 北川邦子さん
滋賀県は広く、ST同士が交流できる機会が多くありません。
「リレーメッセージ」と題し、県下STに自由にお話いただく場を作る事で、「滋賀県STってこんな感じなんだ!」と繋がる場を企画しました。
「よもやま話」が集まり、滋賀県下の現在そして未来のSTへのメッセージとなることを期待しています。
第3回目は、ヴォーリズ記念病院の北川邦子さんにお願いしました。
拝読した広報部までほっこり心があたたまる内容を頂戴しています。
下記よりご覧ください。
リレーメッセージ:第3回
どんなSTを目指していこうか ~5年目で感じること~
「言語聴覚士のお仕事は、患者さんにとってのホストさんやホステスさんになることよ。」
―この言葉は、学生時代に失語症学の恩師が私たちに話してくださった言葉です。当時は大変衝撃を受けました。全く違う職種と思っていたからです。ですが、このお仕事につくとそれも納得。今も仕事に悩んだ際に思い出します。リハビリを通じて、いかにお話をすることの楽しさを感じ、「話したい」「伝えたい」と思っていただけるかが、この仕事の醍醐味だと感じています。音声言語に限らず、だれかとコミュニケーションを図ることが「生きる喜び」に繋がっていくと良いな、とつくづくと感じます。
私の勤めているヴォーリズ記念病院は、回復期病棟や療養病棟、訪問リハビリ事業、ホスピスを含む総合病院で、私は回復期に所属し5年となります。30歳直前にこの業界に入り、患者様だけでなく、たくさんの言語聴覚士の先生方、医療職の方々と出会いました。特に、実習でお世話になった先生方と講習会や学術会議で再会した時には、大変に嬉しく、誇らしさも感じました。病院内の仕事だけではなく、外部の活動を通じて出会う人たちがいて、そうした出会いや経験が巡り巡って病院でのリハビリに生かされているのだなと実感します。
例えば、県の事業である「失語症者向け意思疎通支援者養成講座」に参加させて頂いているのですが、失語症支援者の方と街でばったりお会いし、その後の活動の様子や感想をお聞き出来たことは良い経験です。県士会はもちろん、県士会以外にも滋賀県内では、さまざまな勉強会や交流会、チームがあります。身体がたくさんあれば全部行ってみたいぐらい!音声言語勉強会や摂食嚥下勉強会など、今後も行けるものから参加してみたいなと思っています。私は今、認定言語聴覚士の取得を目標に勉強会や講習会へ参加していますが、経験値を積んで、より多くの患者様の「話す喜び」を引き出していける言語聴覚士を目指したいなと思います。
最後に、私は地元が静岡県のため、もともとあまり滋賀県を知りませんでした。でも、この仕事に就いて私は、滋賀県のことに少しずつ詳しくなっているよう感じます。患者様と話す中で高頻度で話題に出る「滋賀の地酒」を家で飲んでみたり、滋賀の観光地や美味しい食べ物など、教えていただいたものを休日に楽しんでみたり。この拙い文章を読んでくださっている方の中でこれから言語聴覚士を目指す方がいらっしゃったら、ぜひ、滋賀県をはじめ様々な地域、話題に興味を持って、たくさんの話のネタを持っておくことをお勧めします。私はこの仕事が大好きで、まさに天職だったなあと思っています。
また皆様ともお会いできますように。
ご高覧、有難うございました。